インタビュー 【スタートアップ×日本企業】日本市場進出に向け、スポーツクラブで期間限定のデモを実現 AEAが日本のスタートアップ業界でイノベーションを推進。AIスタートアップと日本企業の共同実証プロジェクトを支援しました。 筑波大学の卒業生が立ち上げた、AIヘルステックスタートアップ「Lifeform AI」。オーストラリアで法人を設立し、つくばでAIヘルスケア&フィットネステクノロジーの研究開発を行っています。AEA 2021に出場した経験を持つ同社。惜しくも受賞は逃したものの、AEA運営委員会による継続的なサポートにより、2023年2月20日から3月5日にかけて、株式会社東京ドームスポーツとの実証プロジェクトが実現しました。今回は、Lifeform AIのCEOであるカルロス・イシャック博士と、COOでLifeform AIのAIリーダーのカティア・ボウラモウン氏、そしてAEAを共催する一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズの理事であり、AEA運営委員会の後藤良子氏にインタビュー。AEAがLifeform AIをどうサポートしたのか、そしてLifeform AIにとってAEAとはどのような存在なのかについて、話を聞きました。 プロフィール Lifeform AI カルロス・イシャック博士Lifeform AI CEO研究者、発明家ロボット工学と最先端テクノロジーのパイオニアであり、発明と研究業績において豊富なポートフォリオを有しています。Lifeform AIの主要な発明者であり、ビジネスリーダーでもあります。 カティア・ボウラモウンLifeform AI COOAIリーダー、研究者現代のAIの限界に挑戦する機械学習と神経科学の専門家。Lifeform AIの主要戦略およびAI開発をリードしています。 AEA運営委員会事務局 後藤良子一般社団法人TXアントレプレナーパートナーズ(TEP) 理事AEA運営委員会2009年のTEP設立に参画して以降、つくばエクスプレス沿線の技術系スタートアップの支援に多く関与。2012年のAEA創設にも参画してその後の運営に深く携わり、アジア各国の技術系スタートアップ支援を継続しています。 世界中、いつでも、どこでも、誰もが使えるトレーニングサービスを展開したいと考えています ――Lifeform AIでは、どんな事業を行っていますか? カルロス:「Future Gym System」という、Lifeform AIが開発したAIセンシング技術を使って、革新的なトレーニングを体験できるシステムを提供しています。カティア:元々はオフィスソリューションとして、座っている姿勢をセンシング技術で認識し、姿勢矯正のアドバイスをするといったシステムでした。そこから発展して、今回のシステムは主にフィットネスやスポーツのスキル向上を目指して開発したものとなります。 現在、特に注力しているのはスポーツジムにおいてのフィットネスでの活用です。株式会社東京ドームスポーツが運営するスポーツジムで「Future Gym System」を使い、スクワット、デッドリフトといったエクササイズの正しいやり方を学んでいただくという実証プロジェクトを、2023年2月20日〜3月5日まで行いました。今は健康維持の筋肉トレーニングが中心ですが、将来的には、ゴルフや野球といったさまざまなスポーツに特化したものまで新しく何かに挑戦したい人と、それを叶えるパーソナルトレーナーとの架け橋になるように日々取り組んでいます。 ――なぜこういったシステムを開発しようと考えたのでしょうか。 カルロス:もともと、人間が能力を習得する方法やその能力を保持し続けることに、大きな関心を寄せていました。そのプロセス自体が、人間を魅力的なものにしている根幹だと感じているからです。そのため、自分の中で、スポーツやエクササイズ、格闘技、ダンス、芸術といったテーマについて自分の中で見つめ直すようになりました。また、私がオーストラリアに住んでいた頃、日本の格闘技を学びたいと思っても、近くにトレーナーもいないし、学べる場所がなかったという経験がありました。「学びたいものがすぐに学べれば、上達も早くなるのではないか」と考えたのです。 そこで、ロボット工学を専門に学んでいる私と、AI分野の研究をしてきたカティアがタッグを組むことで、そういった課題に対してソリューションを見出せるのではないかとひらめきました。そこで着目したのが「テレ(遠隔)・トレーニング」でした。私たちのテクノロジーを通じて、遠隔でのトレーニング、遠方からでもトレーニングを行うことができる技術を作り出しました。 ――遠隔でのトレーニングが可能になれば、いろいろな人に使ってもらえそうですね。 カティア:そうですね。いつでも、誰でも、どこでもアクセスできるようなプラットフォームづくりを心がけたいです。カルロス:このサービスはグローバルに提供していきたいと考えています。例えば、ヨーロッパの田舎に住んでいて沖縄の空手に興味がある人が、私たちのサービスを通じてトレーナーとつながれたら、こんな素晴らしいことはないですよね。 受賞を逃した後でも手を挙げたからこそ、たぐり寄せた出会い ――AEAは通常、スタートアップに対してどのようなサポートをしていますか? 後藤:そもそも、AEA はイノベーションアワードです。年に1回アワードを開催、イベント当日までの1カ月半メンタリングを行います。出場者はアワードイベントでピッチを行い、優秀な企業に賞が与えられます。ただ、新型コロナの影響で、一時イベントは完全にオンラインになりました。私たちが目指しているのは、アジアのテクノロジースタートアップの底上げ。だからアワードが終わった後もスタートアップとコミュニケーションを継続的にとるようにしています。 アジアのスタートアップ企業は日本市場に参入するサポートを必要としているので、AEAは日本企業との架け橋になりたいと思っています。もう少し、日本の大企業が海外企業にもオープンでいてくれたらいいなとは思いますが、我々が架け橋となることでスタートアップと少しでも近づけることができるなら嬉しいですね。 ――Lifeform AIは、AEA出場後、日本企業とどのように接点を持ったのでしょうか。 後藤:AEAでは開催前に、参加するスタートアップのメンバーと、日本人のメンターとの間で、メンタリングセッションを 1ヶ月半の間行います。もちろん、カルロスやカティアへも行いました。メンタリングにはslackを利用しているので、AEA参加企業はみな、過去参加のalumniも含めてslackで繋がっています。アワードが終了した直後に、全参加企業に対して私から「AEAのスポンサー企業やその他の日本企業とのコミュニケーションを図りたいスタートアップがいたら、気軽に、個別にお声がけくださいね」とお知らせをしました。多くのスタートアップが日本市場進出に興味を持っているものの、今すぐ何かしたい、と積極的に手を挙げられるスタートアップは意外と少ないのですが、Lifeform AIはすぐにメッセージを送ってきてくれました。それ以来、私を含めたAEA運営委員会メンバーで、AEAのネットワークを活用し、どう発展させていく可能性があるかを話し合いました。そして無事に東京ドームスポーツさんとの取り組みが始まったのです。カルロス:AEAアワード終了後もAEAと連絡を取っていた中で、興味を持ってくれた東京ドームスポーツさんとつなげてくれたのです。大きなチャンスが訪れましたと思いましたね。 ――東京ドームスポーツさんへのプレゼンテーションに向けて、どのように準備を進めたのでしょうか。 カルロス:当時はまだプロトタイプしかなかったのですが、チャンスをモノにできるように、最高のプレゼンテーションをするべく動き出しました。与えられたチャンスは 1 回しかありませんが、その場にいる全員に称賛してもらえるように、当時のプロトタイプを数か月間、毎日、調整し続けました。まるでマラソンをしている気分でしたよ(笑)。 ――日本企業との連携という点で、言語や文化の違いなどで難しさを感じた点はありますか。 カティア:日本では細部にまで細かく気を配ることがとても重要だという印象を受けました。開発段階で考慮しなければならない文化の違いもありましたね。ただ、そういった点においてもAEA から日本企業との関わり方についてフィードバックやサポートを受けながら、コミュニケーションスタイルの違いを乗り越えることに努めました。後藤:AEAに過去参加したスタートアップで、日本の大手企業への導入を無事に成し遂げたとある企業が話していたのですが、『日本の大手企業とのビジネス交渉には「忍耐」が必要だ。ただ、その時期を超えたら深く信頼してもらえて、長いお付き合いが出来る。』、と話していました。どこの国でも同じとは思いますが、まずは相手の疑問や懸念に誠実な姿勢で対応し、信頼を勝ち得ることが重要です。でなければ何も始まらないですよね。コミュニケーションをとる上での丁寧さは日本人にとってすごく重要な印象をつくります。日本でのビジネス経験のない彼らにとっては、なぜそんなことをしなければならないのか理解できないこともあるだろうと思ったので、細か過ぎるかなと思うくらい、丁寧に伝えていきました。これを文化の違うスタートアップが飛び込んでいきなり行うのは、至難の業ですよね。 実証プロジェクトで分かった、次への一手 ――今回の実証プロジェクトの手応えを教えてください。 カルロス:私たちのサービスの大きな特徴は、利用者へのフィードバックを提供することですが、フィードバックの提供方法や内容などはそのマーケットごとに変わる場合が多いのです。そういう意味で、今回の実証プロジェクトのおかげで日本市場向けの対策が見えてきました。 ――具体的にはどういった点だったのですか。 カルロス:日本では実際にトレーナーが教えているものではなく、バーチャルコーチが教えるようなアプリが好まれる傾向があることが分かりました。日本人にはゲームっぽさのあるアプリが好まれることが実験を通じて分かったのです。友達同士で競争できるメニューがすごく人気で、ランキングに自分の友達の名前があることに気づいた参加者が「彼に勝たなければ!」と励む様子が印象的でした。モチベーションが上がるんですよね。今後リリースするサービスでもゲーム要素は肝になると思います。 私もゲームをやりますし、特にファイナルファンタジーが大好きです。今後、私たちが開発するアプリにも、FFのような要素を織り交ぜられたら嬉しいですし、もしいつか有名な日本のゲーム会社と提携できる日が来ると良いなと思っています。あと、とにかく予想外だったのが、高齢層の参加者率の高さでした。私たちは10〜60代までを対象にサービスをデザインしていたのですが、そのさらに上の年代の参加者がスクワットや水泳などのスポーツに取り組み、フィードバックを得たいと言うことに驚きました。新型コロナウイルスの影響で市場に変化があったこともひとつの要因かもしれませんね。カティア:コロナだけでなく、高齢化社会である日本の人口動態そのものの兆候でもあるかもしれません。他にも「このまま健康を維持したい」「運動不足を感じたくない」などの声も寄せられたので、そうした悩みに対応できると考えました。研究開発の段階では分からない新しい発見が常にあるので、公の場で実証プロジェクトを行いエンドユーザーと関わることがとても重要ですね。 ――日本市場での戦略はどう考えていますか。 カルロス:コロナのまん延によって健康への意識が高まっていることは、皆さんもご存知でしょう。特に変化したのは、ジムに行ってトレーニングするばかりでなく、自宅でもできるリモートトレーニングを日常に取り入れるようになったところだと思います。日本におけるパーソナルトレーニング市場は急速に伸びていて、今後 3 年でさらなる成長が見込まれます。一方で、リモートトレーニングの問題点は、YouTubeやオンラインプログラムの動画を参考に体を動かしていても、その動かし方が正しいものか自分ではわからないところにあります。間違った動かし方をすると、かえって体を痛めることも少なくありません。 そこで私たちのAIセンシング技術を活用することで、やり方が正しいか間違っているかのフィードバックを参加者が受け取れるようになるのです。だから安心して運動を続けられますよね。 AEAが企業同士を結ぶ「架け橋」になってくれます ――スタートアップ側の立場から、AEAに参加することにどんなメリットがあると考えていますか。 カルロス:アワードで他のスタートアップによる医療系のプレゼンテーションを見て、人間の命を救うスタートアップと同じ土俵で私たちが挑戦することに少しためらいがあったのですが、とにかく私たちもチャンスを掴みに行こうと意を決し、飛び込みました。でも、本当に挑戦して良かった。何が起こるかは決してわかりませんが、参加するだけで、スポンサー企業をはじめ、さまざまな方の関心を引くことができます。 カティア:私たちがどう日本市場に参入するのか、その道筋を見出せたことが最大の効果だと思います。特に海外スタートアップ企業が日本市場に入るのは大きな迷路に挑戦するようなものなので、適応するまでに時間がかかる場合があります。AEAのメンバーと頻繁に連絡を取り合い、協力することで、物事がスムーズに進みました。 ――AEAはLifeform AIにとってどんな存在ですか? カルロス:間違いなく架け橋ですね。AEAが大企業とスタートアップを結ぶ架け橋となり、継続的にサポートしてくれているおかげで、私たちは協力する企業と信頼を築くことに集中し、高い評価をいただけていると思います。何もせず、ただ座っているだけだと大きなチャンスを見逃してしまう。成長のためには、実際に経験するということが本当に大事なのだと痛感しています。 他のスタートアップにもぜひAEAに参加して、一歩踏み出してほしいですね ――今後、Lifeform AIとしてどんな事業展開を考えていますか? カティア:私たちは現在、家庭での実用化にも取り組んでいて、今後のLifeform AIの展開を楽しみにしていただければと思っています。早ければ数カ月後に、いいお知らせができるかもしれません。AEAにも早く報告したいですね。いずれは、よりグローバルな存在に成長し、世界中のどこでもスキルを共有できるグローバルなプラットフォームを作り上げ、誰もが新しいスキルなどを学べるようにしたいと考えています。カルロス:今のサービスは最終段階ではありません。あくまでも私たちが目指すのは、AI が学習者とトレーナーの間の架け橋となること。トレーナーがいないときでも、フィードバックや分析を行い、スキル習得を加速できる世界です。そのためにはネットワークが迅速かつ強力につながるように、よりシンプルでアクセスしやすくする必要があるので、まだまだ微調整が必要ですが、だんだん形になり始めています。私たちは人々が必要としている以上のものを実際に示すことができているので、さらに高度な機能を追加できるように頑張りたいです。 ――最後に、今後の参加者へメッセージをお願いします。 カティア:AEAはアワードなので、当然、競争ですし、それがストレスと感じることもあるでしょう。ただ、参加すること自体が有益で、受賞しなくても他の企業とつながり、人との出会いの場にもなります。賞を取ることばかりにとらわれすぎず、とにかく楽しんで参加してみてください!カルロス:同感ですね。大胆に、躊躇せず、ぜひ一歩踏み出してみてください。ときに“忍耐”が必要になりますが、とてもやりがいがあります。ここでリーチできる企業や人々はなかなか出会える方々ではないです。もし参加を検討しているのであればぜひトライしてください。チャンスは逃さないで!最後に、AEA事務局には本当に感謝しています。後藤さんだけでなく、私たちに関わってくれた全ての方に感謝を申し上げます。AEAのサポートがなかったら、海外出身者のスタートアップが参入してチャンスを見出すのは難しかったかもしれません。他のスタートアップが私たちのようにチャンスを得られることを心から願っています。どうもありがとう。 【実証プロジェクトについて:東京ドームスポーツ様】 今回の実証プロジェクトの感想について、株式会社東京ドームの富田様、東京ドームスポーツの山本様にお伺いしました。 新しいテクノロジーの体験で、活気のあるジム運営へ ーー実証プロジェクトの結果を受けて東京ドームスポーツとしてどんな印象を覚えられましたか? 富田氏:東京ドームスポーツとしてはこのような試みは初めてのことで最初はオペレーション面などで不安もありましたが、結果として「支援させていただき良かった」と感じております。普段見慣れない光景に会員の皆様の興味関心も高く、またLlifeform AI様のお声がけもあり、多くのお客様にデモンストレーションを体験いただくことができました。今回のような新たなイベントの実施は、活気のあるジム運営をするためにもありがたいことです。 新しく驚きのある技術に触れることができる機会は、お客様にとっても良い体験になったのではないでしょうか。 ーー今回のデモにご協力いただくことを決めていただけた背景を教えてください。 富田氏:三井不動産の紹介をきっかけに、お受けすることになりました。革新的な技術を世の中に送り出し、社会課題を解決する支援を継続しているAEA運営委員会の主旨に共感し、支援をさせていただいたしだいです。デモンストレーションで使用したAIトレーナーのシステムは、ジムトレーニングを行うお客様との親和性が高く、正しい姿勢で効果的なトレーニングを行なっていただけたように思います。前述もいたしましたが、お客様参加型イベントでジムに来場する皆様に楽しんでいただける企画は、私たちとしても積極的に行なっていきたいことでもあります。 ーーデモに関してお客様の反応やプロダクトに対しての印象を教えてください。 山本氏:AIトレーナーのシステムは初見では何を行なっているのかは分かりにくい様子でしたが、開催期間を長めに設定していたことも幸いし、お客様の興味も日に日に増していったように思います。中でも体験された方が順位で表示されるシステムが好評で、会員様同士のお仲間の間で競い合ったりして楽しんでいただけている様子でした。お客様同士のコミュニケーションのきっかけになったことは予想外の成果でもあり、嬉しく思っております。開催期間の終盤にはシステムもアップデートが加えられ、ゲーム性が増し、より楽しみながら正しく効率的なトレーニング方法を学ぶことができたよう思います。 ーー今後、スタートアップとの協業についてどのように考えていますか? 富田氏:世の中の課題を解決する画期的な技術を持ったスタートアップと協業することは、お客様だけでなく私たちにとっても新しい経験となりました。一方でただ支援をするだけではなく、どのようにビジネスとして成立させていくかが今後のポイントになってくるように思います。 株式会社東京ドームスポーツファシリティ事業室係長富田 将平 氏 株式会社東京ドームスポーツ フィットネスクラブ東京ドーム トレーニングルーム担当/パーソナルトレーナー山本 奨 氏 【ノミネーターに聞く、AEAの魅力】 Lifeform AIをAEAへ推薦した筑波大学 尾内敏彦教授に、これまでの取り組みについてお伺いしました。 ーーLifeform AIをAEAに推薦した理由 独自開発の薄型圧力センサー(PCT出願済)を用いて、人間の着座に係る諸課題(腰痛、業務効率、サービス改善など)を幅広く解決する商品群を打ち出し、デザインや製造のパートナーと手を組むとともに海外の経営者や投資家にも事業化の共感を得ており、成長するスタートアップであることを確信したためです。彼らは筑波大学のグローバルアントレプレナー教育を受講し、海外市場探索のためノミネーターである私がサンディエゴ現地の顧客ヒアリングに同行しており、上記のことを確認しています。その後もオーストラリアや日本をベースに事業活動を推進しており、AEAの趣旨に合致するチームであることも推薦した理由です。 ーー AEA参加後のLifeform AIの筑波大学での取り組みについて 一企業であるため大学として積極的なサポートはできていないのですが、つくばのスタートアップを紹介するイベント参加への推薦、関連業界へのマッチングサポート、知的財産運用に関するアドバイスなどを行っています。 ーー大学発スタートアップにとってAEAへの参加の意義とは スタートアップが成長するには国内市場のみならず海外市場を視野に入れて活動する必要があり、その登竜門の1つとしてAEAを位置づけることができます。また、エントリーを機に受賞すれば世間の注目度がアップしてその後多くの団体からの支援に繋がり、受賞がない場合であっても多くの方と繋がって、今回のように事業活動の幅が広がるきっかけとなるでしょう。発表会の場では世界各国のビジネスプランが共有できるため切磋琢磨の機会となります。一方、推薦する側にとっても起業して間もない大学発スタートアップとのコミュニケ―ションの場となり、より強い連携を形成するとともに本来の目的である大学の研究成果を社会実装することへの促進につながると考えています。 筑波大学尾内敏彦教授(2023年3月時点)