メッセージ

 

我が国では、明治維新、戦後復興期に数多くの起業家が輩出され、彼らの努力はこれまでの日本経済を創り、支えてきました。持続可能な経済活動のためには、新たな企業の誕生やその成長が必須です。
我が国は、大学や研究機関を中心に世界最先端の技術や特許を数多く有し、起業機会は豊富にあるものの、起業活動率は非常に低く、大学発ベンチャー企業などは増加しつつあるものの、赤字率は高い状況にあります。
大学や研究機関における研究開発、技術や特許を商業化に繋げるためには、ベンチャー企業側のビジネス経験、資金面、或いは世界的マーケットに対する視野を補完し、起業活動に関する持続可能な仕組みの構築が必要です。
2009年11月、私どもは、多くの大学や研究機関、インキュベーション施設などの起業シーズ・人材が集積するつくばエクスプレス(TX)沿線エリアを中心として、創業育成を行う個人メンターを集めた組織「TXアントレプレナーパートナーズ[TEP]」を立ち上げました。欧米では多くの著名な起業家が、団体や企業ではなく個人ベースで支援する場合も多く、投資はもちろんのこと、経営についても共に汗水流して行う「ハンズオン」支援をすることで、自ら投資還元率を高めるとともに、経営経験の浅いベンチャー企業の健全な成長にとって欠かせない存在となっています。TEPもまた、創業シーズの豊富なTX沿線エリアにおいて、地域に根差した創業育成のロールモデルとなることを目指しています。
本アワードを通じて、起業家の皆様がアジアや世界に視野を広げ、TX沿線エリアが創業育成環境としてより一層の醸成を果たし、アジア経済を牽引していくモデルエリアとして成長することを、心より願っております。

村井 勝
TXアントレプレナーパートナーズ
代表

アジア・アントレプレナーシップ・アワード2012
審査委員会 委員長


1962年、カリフォルニア大学大学院(ロスアンジェルス校)経営学部卒(MBA)。米国IBM情報通信統括本部長を経て、1991年よりコンパック日本法人初代代表取締役社長、1996~1997年まで在日米国商工会議所理事。その後、Entrepreneur of the Year Japanで初代から3年間、審査委員長を務める。これまでに、国内外のベンチャー企業10数社の設立に関与。

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