メッセージ

 

「一般社団法人フューチャーデザインセンター[FDC]」は、我が国が抱える環境・資源問題、食糧問題、医療問題、教育問題などの様々な国家的課題を、いずれは世界が共通に抱えることとなる課題と捉えて、国内外から優れた知と技術を結集し、課題解決の先進モデルを示していくため、2009年7月に設立いたしました。
FDCのミッションに関わる環境・資源、食糧、農業、医療、教育などの分野において、最先端の需要をキャッチする先見性、意欲、実行力などを備えもつ起業家の活躍は、今後非常に重要になると考えられます。特に、低迷する社会においては、起業家によるイノベーションこそが閉塞感を打破し、危機を乗り越えるための大きな原動力となるのです。
社会の中で新しいことを試みることや、勇気ある挑戦を社会が賞賛する仕組みがあってこそ、私たちが真に必要とする課題解決の先進モデルは生まれ、また新たな産業も育っていきます。今もっとも必要とされているのは、科学技術そのものではなく、起業に挑戦するアントレプレナーシップあふれる人材や、それを奨励し支える地域環境と社会文化の醸成です。
FDCの本拠地でもある「柏の葉キャンパス」(千葉県・柏市)は、つくばエクスプレス(TX)線により都内へのアクセスがわずか30分で可能であり、東京大学柏キャンパス、千葉大学柏の葉キャンパス、国立がん研究センター東病院や、複数のインキュベーション施設が立地し、国内でも稀に見る創業ポテンシャルを有しています。また、すでに公・民・学が密に連携した先端的なまちづくりが推進されており、既存の枠組みを超え、新たな「先進モデル」を発信するに相応しい、イノベーション・フィールドとしての環境が整いつつあります。
この柏の葉キャンパスをイノベーション拠点とした本アワードの開催が、力強く成長を続けるアジアの国々における志高い起業家のネットワークを構築し、今後のアジア経済を支える人材育成、環境創造の基盤となることを、そして何よりも本アワードが、アジアの優れた起業家たちにとって、自らの力で社会を変え、世界をリードしていく勇気を与えるものとなることを、我々は切に願っております。

小宮山 宏
一般社団法人フューチャーデザインセンター
提唱者/最高顧問
株式会社三菱総合研究所 理事長
東京大学 前総長


1972年、東京大学工学博士課程修了。カリフォルニア大学デービス校ポスト・ドクトラル・フェロー、東京大学工学部教授、副学長を経て、2005~2009年まで第28代東京大学総長を務める。現在は、三菱総合研究所理事長、東京大学総長顧問、東京電力社外監査役、新日本石油社外取締役などを兼任。

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